【 会員便り 第1回 】    

          

  「会員便り」の第1回は今年の卒業式で読まれた答辞を紹介させていただきます。

  尚、この答辞は第60回卒業生答辞作成委員会 ( 委員は田中 綾乃、早野 律子、八木 睦乃の3名、
  
  指導は国語科 平岡 令子教諭 )において作成されました。

  平成20年2月29日の式当日に卒業生を代表し、八木 睦乃さんが読まれました。


   
〔掲載順〕 〔掲載日〕 〔卒業年〕 〔卒業回数〕   〔 氏 名 〕       〔タ イ ト ル 〕
第 1 回 2008. 7. 1 H20年 山城高60回  八木 睦乃  山城高校第60回卒業生代表答辞

 



































答   辞  

 寒い冬でした。凛とした空気の冷たさにもすっかり慣れてきました。
でも今年の冬の後には、別れの季節が待っているのだと思うと、この寒ささえも愛おしく感じます。
 本日は私達卒業生のために盛大な卒業式を挙行していただき、一同深く感謝致しております。また、校長先生や来賓の方々、在校生の方からの暖かいはなむけのお言葉を頂き、本当にありがとうございます。

 あの日、見知らぬ同士のまだ15歳だった私達がこの場所を選び、三年間の月日を一緒に過ごしました。その頃は固くて落ち着かなかった制服も、今では少しくたびれて、深い色合いとともに、私達の歴史を物語っています。こうして振り返ってみると、私達にとってこの三年間の時が経つのは、とても早いものでした。未だに卒業するという実感が湧かず、これからも高校生活が続くような気がします。

 入学当初は、中学生から高校生になることへの環境の変化に戸惑いと不安を感じる反面、何もかもが新しく新鮮で、期待も大きかったのを思い出します。遠足や球技大会などの学校行事を通して、クラスの雰囲気に徐々に慣れ、山城生らしさを身につけ、楽しむことができました。

 そして三年間の中でも大きな行事である志賀高原でのスキー研修では、大自然の中でスキーやスノーボードといったスポーツを楽しみ、ユニークなインストラクターの方々のおかげで、ずいぶん上達できました。そのいつもとは違う環境の中で、クラスの枠を越えた友達と知り合い、自分を知るきっかけとなりました。さらに寝食をともにすることにより、今までの友達ともより深い関係となることができました。

 高校生活にもすっかり慣れ、部活動などでも中心になって活動した2年目。毎日を力一杯楽しみ、部活動やイベントに熱くなりました。その中でも特に印象的なものが、山城生にとって最大の山場である、山城祭でのパフォーマンスです。本番のたった12分のために夏休みから練習を始め、全員で放課後遅くまで、更に早朝にも集まるほど必死でした。
けれども大変さよりも楽しさが勝るほど夢中になれた瞬間でした。本番でやりきった後に一緒になって喜び合える友達がいること、それが何より幸せでした。この経験で、仲間の大切さ、協力して何かをやりとげることの喜びを知りました。

 ドイツを中心に外国の学生との交流も活発に行われました。互いの学校を訪問し、異文化に触れることで、私達が住むこの日本という国を見つめ直すことができ、新しい視点で社会を考える機会となりました。

 3年生になって、部活動では涙の引退を迎え、受験という2文字が私達に重くのしかかってきました。その受験を気にかけながら取り組んだ山城祭での演劇は、夏休みに集まり、一生懸命練習したキャストや、それをしっかり支えた照明・音響・大道具などの裏方を務めてくれた仲間たちの努力により成功したのだと思います。
 3年目の体育祭や球技大会も、過去2年より更に盛り上がりました。カラフルなTシャツ、日に焼けて真っ赤になった顔、みんなで駆け抜けたグランド。沢山のドラマがありました。
 このような行事の成功の陰には、いつも頑張ってくれる自治会という存在がありました。
大変だったと思うけれど、見えないところで駆け回ってくれたおかげで学校行事が成り立ったのだと思います。お疲れ様でした。
  受験も後半戦にさしかかり、クラスが全員揃う日も少なくなっていく中で、友達と励まし合い、共に乗り越え、「受験はチームワーク」という言葉を身にしみて感じました。
特に、試験前日に友人から届く「頑張れよ!」というメール、何にも代え難い支えとなりました。制服を着る・席替えをする・この教室で授業を受ける、その今まで当たり前だったことが段々と減っていき、限りある毎日の大切さに気づいたことと思います。

 しかし、このような高校生活の中で辛いこともたくさんありました。クラスで行事を成功させるために、熱くなって相手の立場になって考えられず、また意見の食い違いでモメたりもして、そのたびに自分の言動の浅はかさに後悔しました。でも本音でぶつかり合えたことで、お互いに信頼できる仲間になりました。放課後の何気ないお喋り、一緒に行った買い物、旅行、そのすべてが大切な思い出になりました。みんなのおかげで悲しみは減り、喜びは何倍にも増えました。また部活動で、先輩という上の立場になって初めてわかる、人を引っ張っていく難しさ、つらさ、その責任の重さを身を以て実感しました。勉強との両立が大変だったり、努力が結果に結びつかず悩んだり、仲間と衝突したり、と言い表せないくらい辛い思いもしました。でもその挫折があったからこそ、今の自分があるのだと思います。これから先も、まだまだ乗り越えなくてはならない大きな壁が出てくるでしょうが、この山城高校で学んだ知識や向上心、楽しむ精神を生かして、笑顔でその壁を突破して一歩一歩前進していきたいと思います。
 現在の日本では自分の家族・友達や幼い子供の命を奪ったり、自ら命を絶つほど追いつめられたりする事件が多発しています。改めて加害者にも被害者にもなりうると言う現実を目の当たりにしました。このような時代に、私達は社会に出ても、正しいことと、そうでないことの区別をつけられるようになる必要があるのではないでしょうか。私達がこれから出て行く社会では、国際関係での課題や温暖化などの地球環境というような、考えなくてはならないことがたくさんあります。未来を担う私達がこれらの問題と真剣に向き合い、少しでも改善していくよう努力していきたいと思います。

 思い出一杯の三年間。しかし、私達だけではこのような時間を過ごすことはできませんでした。いつまでも頼りなく、終始迷惑をかけっぱなしだった私達を、厳しくも優しく指導してくださった先生方。学習面だけでなく、精神面も支えてくださり、一番の相談相手でした。ありがとうございました。 そして様々なところでお世話になった教職員の方々、私達が毎日を有意義に過ごせたのも、皆さんのおかげです。感謝してもしきれません。それから食堂のおばちゃん、美味しいご飯をありがとう。
 義務教育が終わり、この山城高校に入学させてくれて、お弁当を作ってくれた両親。普段は照れくさくて素直に言えないけれど、本当に感謝しています。家族がずっと見守っていてくれたから、ずっとそばにいてくれたから、私達はこんなすばらしい三年間の高校生活を送れたのだと心から思います。ありがとう。
 後輩たちへ、クラブや自治会でしっかり私達をサポートしてくれたことを、決して忘れません。三年間はまたたく間に過ぎ去ります。これからの高校生活を思い残すことのないよう、思う存分楽しんでください。
 最後に、私達はこれから別々の道を歩いていきますが、決して一人ではありません。だって一緒に笑った友達はいつまでも友達だと思うから。たった一度しかない三年間をみんなと過ごせてよかった。ほんまにありがとう。
 それでは、山城高校がますます発展するよう心よりお祈りして、答辞とさせていただきます。
ありがとうございました。

                                      平成20年2月29日
                                   卒業生代表 八木 睦乃
 
     




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